慢性腎臓病の急性増悪

慢性腎臓病は健康な腎臓に比べて予備能力が低く、ちょっとしたきっかけで急激に悪化する可能性があります。このように急激に悪化した慢性腎臓病を急性増悪(ぞうあく)と呼びます。

急性増悪は急性腎障害に含まれる病態で、迅速な対応が必要ですが、急性期を乗り越えれば元の慢性腎臓病のステージまで回復できる可能性があります。

原因

1.腎前性  2.腎性  3.腎後性 に分けられます(急性腎障害参照)。

急性増悪を起こす原因は急性腎障害と同様に様々ですが、より注意しなければならないことは、数日の食欲不振や嘔吐下痢などでも発症する可能性があるということです。それほど慢性腎臓病は脱水に対しての抵抗力がないのです。

治療

急性増悪の治療の基本は原因疾患の治療、適切な輸液療法、栄養管理です。しかし適切な初期治療が行われていても、無尿(数時間以上尿が作られない状態)、高カリウム血症、体液過剰を認めた場合には早急に血液透析療法が必要になります。

その後の腎機能

急性期を乗り越えた後は数週間から数年かけて腎機能は徐々に回復していきます。しかし必ずしも完全に腎臓の機能が戻るとは限りません。回復しても以前の慢性腎臓病のステージよりも進行してしまうケースも少なくありません。大切なことは急性増悪を起こさないように脱水を避ける、腎毒性物質を避ける、定期的な受診、調子が悪くなったらすぐにホームドクターに相談することです。